復活のウワサ
大好きだった番組が終了してしまうのは、とても残念だ。
中でも、大人気番組ならなおさら。
復活を望む声は多く、署名活動を起こす人もいる。
実現出来る時もあれば、出来ない時もある。
今回、復活するかもしれない可能性があるのは、2002年から2016年まで放送されたアメリカの大人気リアリティ番組「アメリカン・アイドル」である。
「アメリカン・アイドル」とは、視聴者参加型オーディション形式を取っている番組で、
歌手になってアメリカンドリームをつかみたい!と思っている人達が大勢集まる。
そこで、パフォーマンス(歌)を披露し、地方予選やハリウッド予選を勝ち抜く。
予選を通過した候補者だけがステージに立てる。
ステージに立ち、更に審査員によって候補者は12人ほどに絞られ、そこからが本選。
候補者がパフォーマンス(歌)を行った後、視聴者の投票によって毎回最下位が決まり、その最下位が脱落していくシステムだ。
15シーズンに渡って放送された「アメリカン・アイドル」。
ピーク時の平均視聴率は、3千640万人というものすごい数字をたたき出しリアリティー番組として良く知られるモンスター番組へと成長した。
番組が終了したのは、視聴率の低迷だと言われているがそれでも平均視聴率910万人。
そんなFOXのモンスター番組を「このまま終わらせるのは惜しいのではないか?」と考えたのが、米NBCである。
その「NBC」と制作会社「Fremantle Media」が「アメリカン・アイドル」復活のために動いていると言うのだ。
ただ、NBCはすでに「The Voice/ザ・ヴォイス」というオーディション番組を放送している。
これは、マルーン5のアダム・レヴィーンやシェキーラなど他にも有名なアーティストが審査員として参加。
最近では、マイリー・サイラスも審査員として参加し、話題を呼んだ。
音楽オーディション番組が2つとなるため、放送日や放送時間なども調整もしなければならないだろう。
しかし、惜しまれて終了した「アメリカン・アイドル」をもう一度復活しようと考えたNBCは決して間違ってはいないはずだ。
アメリカン・アイドル
リアリティー番組「アメリカン・アイドル」は、プロデューサーであるナイジェル・リスゴーが、ある日ワインをもって音楽プロデューサーのサイモン・コーウェルの元へ。
「視聴者参加型オーディションの番組を、アメリカでも作りたいから手を貸してくれないか?」と頼みこむ。
しかし、この時サイモンに興味はなかった。
番組を作れるか作れないかは分からない。
ましてや、アメリカの人々がこのスタイルを受け付けてくれるかどうかも未知数。
それを制作しようとすれば莫大な製作費がかかる。
そうして諦められないナイジェルが、番組の内容を熱く語る。
お酒が入ってきたサイモンは、話しにのるようになり、さらにお酒が入りテンションは上がり、案を出し合う熱もヒートアップ!
最後には、とうとう参加する事に同意したそうだ。
しかし、その決断は大成功!
サイモンはたちまち名物審査員となった。
シーズン1から音楽プロデューサーのサイモン・コーウェル。
音楽プロデユーサー・セッションミュージシャンのランディー・ジャクソン。
歌手・ダンザーのポーラ・アブドゥルが審査員となり番組はスタートする。
シーズン1は、ライアン・シークレストとブライアン・ダンクルマンの共同司会者形式だったが、シーズン2から1人に変更。
ライアン・シークレストに決まった。
審査員とライアンとのコントの様なやりとりも「アメリカン・アイドル」の名物となった。
シーズン15まで司会者は変わらなものの、審査員の降板や新メンバーも加入し、その度にスタイルも少し変わるようになる。
歴代の審査員には、カーラ・ディオガルディやエレン・デジェネレス、ニッキー・ミナージュ、マライヤ・キャリー、スティーブン・タイラーなども参加している。
そして、シーズン13~15は、審査員が変わらずファイナルを迎えた。
シーズン10にスティーブン・タイラー、ランディー・ジャクソンと共に審査員を務めたジェニファー・ロペス。
シーズン12への続投を断ったが、シーズン13で復帰した。
数々の賞を受賞し、カントリー歌手としても有名なキース・アーバンは、シーズン12から参加。
候補者に対する優しい態度やアドバイスが話題を呼んだ。
ハリー・コニック・Jrは、過去に2度候補者を指導するメンターを務めていたが、シーズン13より審査員へ。
10歳でジャズバンドと共にレコーディングをしたり、俳優業もしているハリーは辛口コメントが多い。
それは、候補者への愛情と頑張ってほしいからだと語る。
本当は、1人1人ちゃんと時間をかけて指導したいと思っているそうだ。
活躍
「アメリカン・アイドル」出身者は、活躍しているスターも多い。
「まさに!アメリカンドリームを手にした!」と言われているのが、シーズン1の優勝者ケリー・クラクソン。
数々の賞を受賞し、同番組にも何度もゲストとして招かれていた。
シーズンファイナルにゲスト出演した時に、第2子の出産間近だった彼女は最終回には出演出来ないためそれより前の放送で素晴らしい歌を披露。
その歌を聞いて、審査員のキース・アーバンは涙を流していた。
まさに、「アメリカン・アイドル」の代表者ともいえる存在だろう。
2015年には、「アメリカン・アイドル」出身者で最も稼いだ人ランキングで5位を獲得した。
映画「ドリーム・ガールズ」でエフィー・ホワイト役を演じたジェニファー・ハドソンもシーズン3のファイナリスト(7位)だった。
シーズン4の優勝者キャリー・アンダーウッドは、下火になっていたカントリーに再び光を与えたと言われるほどの歌唱力と人気を誇るアーティストに。
数々の賞を受賞している彼女も、同番組には何度もゲストとして招かれている。
彼女も、まさに「アメリカン・アイドル」の代表者といえる存在だ。
2015年には、「アメリカン・アイドル」出身者で最も稼いだ人ランキングで2位を獲得している。
シーズン5の準優勝者キャサリン・マクフィーは、海外ドラマ「SCORPION/スコーピオン」で、チームのメインメンバー、ペイジ・ディニーン役を演じている。
ファイナルシーズンにゲスト出演もしていた。
同じくシーズン5のファイナリスト(4位)のクリス・ドートリー。
海外ドラマ「OZ/オズ」にもゲスト出演したことがある。
ファイナルシーズンでは、候補者に教えるメンターとして参加。
日本で放送されている海外ドラマ「シカゴ・ファイア」シーズン1のCMソングとして起用もされている。
シーズン5が終了しても人気があった彼は、クリス・ドートリーという本名でソロデビューせず、地元で一緒にバンド活動していた仲間を呼び寄せ、「Daughtry/ドートリー」という名前でバンドとしてデビューし、ダブルプラチナムを記録。
モンスターバンドと言われて活躍を続けている。
2015年には、「アメリカン・アイドル」出身者で最も稼いだ人ランキングで3位を獲得した。
シーズン6の優勝者ジョーダン・スパークスは、セカンドシングル「No Air」が大ヒットに。
パワフルな歌声と明るく、気さくな性格も愛され人気者に。
ブロードウェイデビューも果たしている。
しかし、突然声が出なくなってしまって休んでいた事もあった。
シーズン7の優勝者デヴィッド・クックは、ビルボードチャート100に11曲同時にチャートインを果たすと言う快挙を達成。
同番組になんどもゲスト出演をしている。
自分の弟がオーディションに参加するため付き添いとしてきたが、他に人に「うけちゃえば?」といわれ、「自分はアメリカン・アイドル向きじゃない」と思っていたデビッドは、じゃあ記念にみたいな、なんとなくのノリで参加。
見事優勝したのである。
ファイナルシーズンでは、デヴィッドが結婚したと司会者のラオアン・シークレストから祝福を受けた。
シーズン8の準優勝者であるアダム・ランバート。
海外ドラマ「Glee/グリー」にも出演し、パワフルな歌唱力を披露した。
2012年にリリースされたセカンドアルバム「TRESPASSING」は、全米ビルボード総合アルバムチャート1位となり、ゲイであることをカミングアウトしたアーティストの中で初めての快挙を成し遂げた。
2015年には、「アメリカン・アイドル」出身者で最も稼いだ人ランキングで1位を獲得。
デビューしてから今もなお、勢いは止まらないアーティストである。
シーズン10の優勝者スコッティ・マクレアリー。
当時彼は高校生だったにもかかわらず、並はずれた歌唱力と存在感で勝ち進み見事栄冠を勝ち取る。
2015年には、「アメリカン・アイドル」出身者で最も稼いだ人ランキングで5位を獲得。
ファイナルシーズンにもゲスト出演し、昔よりさらに深みがかった低音を披露した。
シーズン11の優勝者、フィリップ・フィリップス。
病気のため昔から手術を何度も受け、立っているのもやっとの状態にも関わらず、挑戦し続け毎回素晴らしいパフォーマンスを行っていた個性的なフィリップ。
2015年には、「アメリカン・アイドル」出身者で最も稼いだ人ランキングで4位を獲得。
日本でもデビューしており、「Gone,Gone,Gone」は、CMや主題歌に起用されている。
他にも、
日本でも大ヒットした「Wait for You」を歌ったエリオット・ヤミン。
奇跡の歌声と言われたルーベン・スタッタードとフェンテイジア・バリーノ。
ケイレブ・ジョンソンやニック・フラディアーニ、ケリー・ピックラー、ローレン・アライナなど他にも数々のスターも活躍しファイナルに華を添え、幕を閉じた。